Wordingの重要性

どういうことかといいますと、欧米人は日本人やほかのアジア人に比べて「書き物」に対するこだわりが強いということです。はるかに、といっていいほど強いです。

  • 私の職場では企画書・承認書などの会社の経営陣に向けて発信する文書を多く作成します。それらの文書では、全体の構成はもとより一つ一つのワードの使い方から、それらのニュアンスを踏まえてのImplicationの表現、いいかえればいかにしてBetween the linesをよませるか、などにとてもこだわるということです。
  • 私は昔こう思っていました: 日本人はどちらかといえば妙な体裁にこだわり、欧米人はより合理主義で論点ずばりではないかと。でも逆でした。これは前のページで述べた欧米人がLow contextであるということに大きく起因しています。その場でかかれたもの、話されたことに彼らのコミュニケーションが大きく頼っているからです。
  • 例えば日本人であれば、前に話した内容や背景から無意識にくみ取り理解しあえる部分でも、彼らの場合にはちゃんとしたOutputにしておかなければいけないわけです。したがってOutputの重要性もより高くなるわけです。よって、Wordingにもこだわるのです。
  • これらを考えれば、私たち日本人が外資で働き第2言語の英語で文書を作成し、それでCommunicationしていくことの難しさが見えてきます。そして、重要さも。
  • よく言うひとがいます。見た目や体裁よりも中身だと。確かにそのとおりなのですが、英文文書の場合は中身と同じくらいWordingがこだわられます。そして、見た目・体裁とは何を持ってそういうかですが、一番見かける勘違いはこれを文書の構成の悪さや英文レトリックの無視の言い訳にしている人が多いということです。
  • 次のページではこれに触れてみましょう。